07年の映画「パッチギ! LOVE&PEACE」(井筒和幸監督)などで知られた、女優の中村ゆりさんが1日、直腸がんのため亡くなった。44歳だった。所属事務所のアルファエージェンシーが14日、公表した。葬儀は近親者、所属俳優とスタッフで執り行ったという。昨年7月13日に腸閉塞(へいそく)のため、来年1月にNHK総合で放送予定のドラマ10「デンジャラス」からの降板を発表していた。

同事務所によると、中村さんは13年前にもがんを患ったという。その際、創業者で当時、社長の万代博実さんと話し合い「病名は、仕事の方々には余計な心配をおかけしてしまうので、言わないようにしましょう」と公表を控えた。その後、寛解し、仕事にも復帰し検査も欠かさずに受けていた。その中、昨年1月に再び、がんが発覚。当時、万代さんも肺がんで闘病中で、再び話し合ったが、万代さんは同2月11日に74歳で亡くなった。中村さんの手術は成功したものの、術後に転移が見つかった。その時点で根治・寛解を目指すことは難しく「がんとうまく付き合っていくための治療を続けながら、より長く、生き生きと良い人生を歩むことを目指すことにしました」という。

中村さんは、病気について熱心に勉強し、主治医からも仕事を続けることを勧められていたが、復帰に向けて回復に努めていた今年8月、再び腸閉塞(へいそく)を起こし、余命わずかと告知を受けたという。事務所は「彼女は落ち着き、美しく優しさにあふれた笑顔を絶やさず、ご家族や近しい方々と共に最後の時を大切に過ごすことができました」と近況を明かした。

中村さんは98年にテレビ東京系「ASAYAN」発のユニット「YURIMARI」でデビューし、99年に解散。以後女優として活動した。

「パッチギ!-」で全国映連賞女優賞と、おおさかシネマフェスティバル新人賞。「花子とアン」(14年)などのNHK連続テレビ小説や、「龍馬伝」(10年)などの大河ドラマにも出演した。23年の「市子」(戸田彬弘監督)では高崎映画祭最優秀助演俳優賞を受賞。時代劇専門チャンネルで今冬、放送・配信予定の「鬼平犯科帳 密告」にも出演している。

◆中村(なかむら)ゆり 1982年(昭57)3月15日、大阪府生まれ。03年、映画「偶然にも最悪な少年」で女優としての活動をスタート。映画「Fukushima50」、ドラマ日本テレビ系「未満警察 ミッドナイトランナー」「終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-」など出演作多数。