俳優佐野史郎(71)が、ロックバンドBOW WOW/VOW WOWのギタリスト山本恭司(70)とのユニットで07年から続ける朗読公演「小泉八雲 朗読のしらべ『思ひ出の記~セツが語ったヘルンの怪談~』」が、11月16日に東京・有楽町のアイマショウで行われる。島根・松江出身の佐野と山本が、松江を愛した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン=ヘルン)と妻セツの物語を中心に、怪談と音楽を融合させたステージを届ける。

このほど取材に応じた佐野は「小泉八雲という名前より、僕の中では“ヘルンさん”が先なんです。僕は小学1年の3月に東京から、父の実家がある松江に転校。学校でも、家族でも“ヘルンさん”という名前が出てきました」。

明治時代に英語教師として松江にやってきたハーンが、作家小泉八雲として「怪談」「雪女」「耳なし芳一」などを書いた。「外国から来た“へルンさん”が、日本に伝わる話を掘り起こしたという思いは、子供の頃からありました。僕ら日本人が小泉八雲を通じて、逆に日本のことを教えてもらっていた」。

ギリシャで生まれ、アイルランドを経て、アメリカでジャーナリストとして活動した後、1890年(明23)に40歳で来日したハーン。「その辺の日本人よりも日本の歴史について詳しかった。それまでのヨーロッパの研究者と比べて違うのは、見下さずに日本人の目線に降りてきて感覚を共有していた」。

20年にわたる相棒の山本は、松江南高の同級生だ。「高校1年の頃は山本はギターを始めて間もない頃でした。僕はギターを始めて1年ぐらいで、ギターを教えたこともあります(笑い)。不思議な縁ですよね。同じ松江で育って、同じ高校に通い、音楽を通じてつながっていた。それが今も続いている。生の演奏で2人が掛け合いながらやる。講談や語り物など、日本の伝統的な芸能には語りと音楽が一体になったものがありますよね。そうした原点を意識しました」と話した。【小谷野俊哉】

◆佐野史郎(さの・しろう)1955年(昭30)3月4日、島根県松江市出身。74年、シェークスピア・シアター創設に参加。80年、状況劇場へ。86年、林海象監督「夢見るように眠りたい」で映画初出演で主演。92年、TBS「ずっとあなたが好きだった」。93年映画「ゲンセンカン主人」主演。18年、フジテレビ系「限界団地」で連ドラ初主演。175センチ。血液型B。