元タレントの小向美奈子(24)が5日、ドタバタ劇の末に東京・浅草のストリップ劇場、浅草ロック座の25周年特別興行でゲスト出演した。半分以上が立ち見という超満員300人の視線が集まる中、最後は全裸になる演出で舞い踊った。東京地裁からの出演禁止の仮処分申請が認められた前所属事務所との話し合いがつかず、予定より開始が4時間以上遅れ、4公演が2回に減る中での強行出演だった。

 執行猶予中の元グラビアアイドルが再起の第1歩に選んだ25周年公演は、息苦しいほどの超満員で午後5時に始まった。小向の出番は1時間以上が経過した第2部だった。白いパジャマやブラジャーとTバックの下着姿で、7度の衣装替えのあるダンスショー。ポールダンスやベットで跳びはね大きな拍手を受けた。

 期待を高めた客席が息をのんだのは最後の2分間。白いシースルーブラを外して乳房を見せた。グラドル時代は童顔なのにEカップでB86-W58-H83センチのスタイルが人気だった。特に柔らかさが自慢で自ら「スライム乳」と名付けたバストで視線をくぎ付けにすると、観客に背を向け、白いTバックを足首まで下ろしたところで幕が下りた。出演者全員によるフィナーレでは笑顔で投げキスする余裕もあった。

 昨年9月に前所属事務所から解雇される際、しばらく芸能活動を行わないなどの同意書を交わしていたため、東京地裁からの出演禁止命令が下った。小向もロック座もこの命令を3日の報道で知り、4日に東京地裁に出演禁止の取り消しを求めた。同事務所とも交渉したが、この日午後0時半開演には間に合わず、1回目の公演は中止となった。

 ところが、午後4時すぎに「前事務所と折衝を重ね、本日の公演の見通しが立った」と発表。同時に小向の署名入りで「千秋楽を無事に迎えられるように努力してまいります」とのコメントが配布され、午後5時に開演した。多くの観客が午前中から並んで期待したスライム乳は2分間のお披露目だった。

 仮処分申請以来、沈黙を保っていた同事務所もこの日午後、文書で「解決に向けて協議中」と発表するなど、小向側が出演を強行した印象はぬぐえない。6日以降は連日、4公演を行う。29日の千秋楽後に小向が会見するが、それまでに波乱が起きる可能性がある。

 [2009年6月6日8時10分

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