昨年11月に歌舞伎俳優市川海老蔵(33)に暴行し全治2カ月の重傷を負わせて傷害罪で起訴された元暴走族メンバーの伊藤リオン被告(27)の判決公判が14日、東京地裁で行われ、懲役1年4月の実刑が言い渡された。板野俊哉裁判官は「全治2カ月を要する傷害を負わせた犯行は執拗(しつよう)かつ危険。粗暴癖があり、規範意識に問題があることや、再犯可能性は否定できない」と判決理由を述べた。しかし、「被害者の芳しくない行動が犯行を誘因したことは否定できない」と、海老蔵が元暴走族リーダーにしつこく酒を勧めたことが事件の発端であることも認めた。

 黒のスーツに濃いグレーのネクタイ姿のリオン被告は、裁判官から「分かりましたか」と聞かれると「はい」とうなずいた。傍聴席の妻、母はすすり泣いていた。