ジャニーズ事務所が、中国人アイドルをプロデュースする。同事務所社長、ジャニー喜多川氏(80)が3日、Hey!Say!JUMPのアジアツアー初日公演が行われた横浜市の横浜アリーナで構想を語った。中国側から「中国Jr」を望む声が高まっていることを明かし、今後オーディションを行う予定。合格したアイドル候補たちを日中両国を行き来させ、Jrとして育成していく方針を打ち出した。

 数々のアイドルを育てあげてきたジャニー氏が、初めて驚きの構想を明かした。検討している対象者は、中国在住の10代の少年という。「今、中国から資料を集めている段階。中学生ぐらいですね」。

 きっかけは、アイドル文化が確立されていない中国側からの要請だった。「『中国にもJrがほしい』と言われています。こちらからは『オーディションをしてもいいよ』と話しました」(ジャニー氏)。現在、中国では政府が補助金を出すなどして、芸能文化を広げようとする機運が高まっている。中国側のニーズと海外進出を狙うジャニー氏の戦略が合致した形だ。

 過去に06年に山下智久ら7人で結成したユニット、「kitty

 GYM」にタイの兄弟ユニット、ゴルフ&マイクがメンバー入り。2人はジャニーズがタイの芸能事務所との共同プロジェクトとして結成されたアイドルグループ「タイJr」の1期生だった。それ以来の海外Jrの誕生となる。

 中国でもアイドル王国、ジャニーズの名前は浸透している。08年には嵐が上海で、昨年はSMAPが北京で公演を開催。SMAPは同公演前に、中国の国会議事堂にあたる人民大会堂で会見を開催。異例のVIP待遇を受けるなど、中国政府からもジャニーズの“進出”を歓待されている。

 ほかにも要因はある。NHKのBSプレミアムで放送されている「ザ少年倶楽部」は、世界中で放送。また、ジャニー氏が昨年9月にギネスブックに「最も多くのコンサートをプロデュースした人物」などと認定された“ギネス効果”も大きい。

 ジャニー氏の新作「ジャニーズ・ワールド」は、東京・帝国劇場の11、12月公演として上演。同氏は「帝劇デビューもありますね」と示唆しており、年内にも「中国Jr」がお披露目されそうだ。