4連覇を目指す藤井聡太名人(竜王・王位・棋聖・棋王・王将=23)が初登場の糸谷哲郎九段(37)に先勝した、将棋の第84期名人戦7番勝負第2局が25日午前9時からの2日制で青森市「ホテル青森」で始まった。先手後手は事前に決まっており、先手は藤井、後手は糸谷。

青森では、第37期の中原誠名人対米長邦雄八段(肩書、段位は当時)戦以来47年ぶりの名人戦開催となる。昨年青森港の開港400年、今年「青森まちづくり400年」を迎えた記念の事業でもある。

両対局者は、青森を訪れるのは初めて。24日に現地入りした後、青森港に停泊している青函連絡船「八甲田丸」で歓迎セレモニーが行われた。

今でこそ青函トンネルで青森と北海道の鉄道はつながっているが、かつては連絡船に貨車を乗せて津軽海峡を往来した。船内に設置された線路を見た藤井は、「連絡船の果たしてきた役割を改めて感じました」と前夜祭で話していた。

糸谷は、前夜祭の会場に飾られた「ねぶた」に触れ、「1年かけて構想を練り、現場で手直しする。将棋も構想を練り、一瞬の変化に応じてひらめきを加える。構想とひらめきが一体となってよりよい将棋を指したい」と語っていた。

ちなみに、ねぶたは旧暦の七夕行事。青森市内では「ねぶた」と発音し、「ラッセーラ」のかけ声で「ハネト」と呼ばれる踊り手が威勢良く躍る。弘前市内では「ねぷた」と発し、「ヤーヤドー」のかけ声で静かに練り歩く。これは、歴代の津軽藩主の前で跳んだり跳ねたりすることが失礼だとされたためという。同じ青森県内でも「ねぶた」「ねぷた」の風習があるのは旧津軽藩の領地だけ。旧南部藩領だった八戸、三沢などにはないとされている。