東京都議会は19日、豊洲市の移転問題を検証する調査特別委員会(百条委員会)を開き、東京ガス側と「水面下の交渉」を行ったとされる浜渦武生元副知事(69)が出席した。

 トップバッターの最大会派、都議会自民党は77分の持ち時間の最後に、浜渦副知事の功績をたたえた。

 河野雄紀都議は「豊洲市場の土地買収交渉は間違いなく、浜渦副知事がいらっしゃらなければ成し得なかった大事業」「公益のためにさまざまな人が努力した結果、世界一の市場を完成した」と絶賛した。

 東京都の交渉記録により浜渦氏が東京ガス側と水面下の交渉をしたことを受け「水面下とはどういう意味か」と質問。浜渦氏は「東京ガスさんが水面下という言葉を使ったので私もそれに応じた。全体的な話ではなく個別な話をしないといけないというのが東京ガスさんの主張だったので丁寧にやった。『水面下』という言葉は悪い言葉だとは思っていない。ものすごくこの事業を推進した単語だと思っている!」と語気を強めた。

 そんな浜渦氏の回答について河野氏は「都民が疑問に思っている点、率直に話していただけた。これで豊洲開場に向けて1歩前進したと私たちは確信した」と満足げに語った。また、小池百合子知事の支持会派である都民ファーストの会の音喜多駿都議が11日の百条委で「土壌Xデー」と提示したことには「デマ」と批判し、「撤回と謝罪をおすすめします」と浜渦氏そっちのけで、他の委員を批判した。

 「自民党は新事実をセンセーショナルに発見することはできませんし、ましてや、事実をねじ曲げてることも当然できない」とも語った。