元モデルの歯学博士・照山裕子さんが、口臭が気になる、歯周病が進んできた…歯と口の悩みなど、皆さんの悩みに回答します。

 Q 口臭予防にガムをかんでいますが、効果はありますよね。ほかにいい方法があれば教えてください。

 A 口臭予防にガムやミントをかんでいるという人は多いですが、効果は一瞬です。<1>一時的な刺激で唾液を出して汚れを流す<2>ハッカの匂いが、臭いをカバーする役割を一時的に果たす、だけで、根本的な解決になっていません。

 逆に糖分が“べたつき”につながって歯を汚くしたり、キシリトール100%のものでもかけらが歯に残ったりすることがあります。口臭予防には効果がないと恐らく歯科医全員が思っています。

 それより汚れがたまる歯と歯の隙間と舌のケアをしっかりすること。それにプラスしてふだんから口の中を潤わせる習慣をつけることが大切です。

 <1>水を定期的に飲む、口の中がかわいたと思ったら水分を取る<2>口がかわきやすい人は、臭いが出やすいので、口をしっかり閉じる<3>耳下腺、舌下腺、顎下(がっか)腺の3大唾液腺の中で、一番簡単にポイントが見つけられる顎下腺を押す。ジワーッと唾液が出てきます。

 そういう習慣をつけて口をしっかり潤わせることに気を付けると、自然と唾液の量が増え、口の臭いを予防できます。

 あとは、うがいもちょっと含んでペッと出すのでなく、グチュグチュグチュという強いうがいに変える。汚れを洗い流してくれるだけでなく、口の周りの口輪筋が鍛えられ、頬の内側の小さな唾液腺を刺激して唾液の量が増えてきます。口の中の汚れが取れやすいということは、風邪とかいろいろな病気を防ぐことにもつながります。

 治療中に様子を見ていると、グチュグチュとうがいをする人は2、3割でしょうか。そんなにマメに歯の手入れをしてそうに見えない人でも口の中がきれいです。逆にちょっと含んでペッと出す人は、口角が下がっていたり、口呼吸だったり、口の中が汚れていやすいということがあります。うがいに気を付けるだけでもだいぶ変わります。

 ◆照山裕子(てるやま・ゆうこ) 歯学博士。厚労省歯科医師臨床研修指導医。歯と全身の関わりについて幅広く学んだ経験を基に、機能面だけでなく審美的要素にもこだわった丁寧な治療がモットー。分かりやすい解説でテレビ、ラジオにも多数出演している。学生時代はモデル事務所に所属。近著に「歯科医が考案 毒出しうがい」(アスコム)。