東京都議選は23日、告示される。「都民ファーストの会」代表として初の戦いとなる小池百合子都知事(64)は、敵対する自民党都連と再び激突する。「出陣」を前に日刊スポーツのインタビューに応じ「ボス政治の時代ではない。古い議会を新しくする」と、都議の“総取っ換え”を宣言。中国春秋時代の兵法家による戦略書「孫子の兵法」を愛読し、「政治には究極のマーケティングが必要」が持論。「丹念に勝利を目指す」と話した。定数127議席に約250人が出馬予定。投開票は7月2日。

 -組織の代表として戦う初めての選挙になる

 小池氏 責任も重いが、やりがいもある。候補者はそれぞれ専門性を持ち、議会を変えられる人材。勝ち上がるように努力したいし、そのことが都政を磨く。私とスピード感を共有できる都議会であってほしい。

 -「9日間は腰が低いが、4年間ふんぞり返る。そんな議員を選んでいない?」というポスターを作った

 小池氏 もう、ボス政治みたいなものや、忖度(そんたく)をする時代ではない。候補者には、私に忖度しなさそうな顔ぶれを選んだ。

 -フランス下院選では、マクロン新党が躍進した

 小池氏 やっていることは同じです。既存政党ではなく新しい候補を擁立して戦う。向こうは(総議席の)6割を押さえた。マクロンの改革は、スピード感を持って進んでいくと思う。

 -市場問題は、都議選前の方針発表を狙ったのか

 小池氏 基本的に工程表のまま。行政としての道を歩んできた結果だ。(判断材料が)出そろっているので、方針を決めておくことで、準備もしなければならない。急がば回れ? 急いだつもりですが(笑い)。

 -5年後、移転先の豊洲から築地に、すべての業者が戻らない可能性もある

 小池氏 これから、卸売市場改革は法律的にも変わってくる。卸売市場は全国でも厳しい状況。どうすれば(築地、豊洲の)両方に機能が残せるか考えたい。

 -「孫子の兵法」を参考にしていると聞きます

 小池氏 自らを知り、環境を客観的に見ながら戦う。「孫子の兵法」は、戦略や戦術を教えてくれる。政治には、究極のマーケティングが必要だと思う。希望や夢をお見せし、実現のために、ともに歩みましょうというのが選挙の要諦。東京が抱える問題を整理し、解決策を示し、ともに進む。このことに、有権者の選択を委ねるということ。

 -支持勢力が過半数を割れば、政策は立ちゆかない

 小池氏 候補者の努力と、私が支えることに尽きる。市場移転の話では(20日の会見で)お金の話はどうするのか問われたが、では、これまで約6000億円もかけて、都議会は何をしていたのか。むしろこれまで絡み、これだけ時間やお金をかけた人は、責任を問われるべきだと思う。

 -過半数獲得の自信は

 小池氏 努力したい。

 -自民党から得たことは

 小池氏 決め方などは下から積み上げ、勉強もする。でもやはり、アンシャンレジーム(旧体制)の人にサポートされると、結局新しいことができない。それが、今の日本のスピード感のなさにつながっているのではないか。【聞き手・中山知子、三須一紀】