将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が26日、東京・千駄ケ谷の東京将棋会館で行われた第30期竜王戦決勝トーナメント1回戦で、増田康宏四段(19)を91手で下し、29連勝の歴代最多記録を達成した。

 藤井四段の地元・愛知県瀬戸市では新記録達成の瞬間、市民が「瀬戸の誇り!」「快挙だ!」と叫び、「バンザイ」を繰り返した。

 地元FM局「ラジオサンキュー(尾張東部放送)」の応援の呼びかけに応じ、市民らが26日午後7時から同市栄町にある複合商業ビル「パルティせと」に集まった。サッカーなどの大画面を大勢が見ながら応援するパブリックビューイング(PV)ではなく、インターネットテレビ局が配信する動画をそれぞれが手元のスマートフォンで見る「パーソナルビューイング」で応援した。

 偉業達成後、会場では「聡太君29連勝おめでとう」の紙が張り出され、「瀬戸焼きそば」が振る舞われた。焼きそば店「八方招き」の八方寅之祐店長(55)は「こんなにうれしい日はない」。汗びっしょりになりながら焼きそばを配った。

 藤井四段が5歳の冬から通った「ふみもと子供将棋教室」(瀬戸市)の文本力雄塾長(62)は同ビルの台湾料理店で飲食しながら吉報を待った。「家でじっとしていられなかった。聡太の将棋は攻めの将棋。きょうも攻めに攻めた」と喜んだ。29連勝に「どこまで連勝が続くか分からない。これからも聡太らしい将棋を指してほしい」とエールを送った。

 対局中に将棋の駒の形をした紙に「同い年の誇り」と応援メッセージを寄せた同市の中学3年、伊藤あいりさん(15)は「年上のプロ棋士をバタバタ倒して、かっこいい」。地元も「藤井フィーバー」に沸いた。【松浦隆司】