将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)の公式戦の連勝記録が「29」でストップしてから一夜明けた3日、地元愛知県瀬戸市の「せと銀座通り商店街」では初タイトル獲得への応援セールを実施した。各店舗には「目指せ!初タイトル!藤井聡太四段」の紙が張り出され、「必勝のお茶」(300円)、美容院では「カット300円引き」などが行われた。

 婦人服店経営の飯島加奈さん(36)は店舗のシャッターに大きな将棋盤を再現し、段ボールの裏にマグネットを付けた駒を作った。「連勝は途切れたけど、すごく勇気をもらった。これからもずっと応援を続けたい」。次戦6日の順位戦C級2組、中田功七段との対局も2日と同様にネット中継をみながら完成したばかりの将棋盤で戦況を伝える。

 22日に同商店街で開催される「縁日」をテーマにしたイベントでは、子どもたちに将棋を身近に感じてもらうため「はさみ将棋大会」を企画している。「藤井四段の活躍に頼りきるのではなく、商店街も自分たちで企画を考えてがんばっていきたい」と飯島さん。古くから「瀬戸物」の産地で有名な瀬戸市が伝統文化の将棋とコラボする。【松浦隆司】

 ◆藤井の本年度中に獲得の可能性があるタイトル 将棋の8大タイトルのうち「王将」「棋王」の2つ。王将戦は1次リーグ戦中で、藤井は7組優勝をかけ、山崎隆之八段と菅井竜也七段の勝者と決勝で戦う予定。棋王戦では6組優勝し、挑戦者決定トーナメントで、豊島将之八段との対局を控えている。最年少タイトル獲得記録は屋敷伸之九段が持つ18歳6カ月。