東京都の小池百合子知事の側近で豊洲市場移転問題を話し合う「市場問題プロジェクトチーム」の座長だった小島敏郎顧問が個人の立場で築地市場を訪れ、業者を説得していた問題で「仲卸はこのままでは自然廃業する」と揺さぶりを掛ける発言をしていたことが4日、分かった。都議会自民党が入手した「小島勉強会」の議事録で判明した。

 議事録によると勉強会は7月18日、市場内で開催。都顧問の「隠密行動」は都議会に報告もなく問題視されたが、小池氏は「個人として自然」と容認していた。しかし、築地市場がある中央区で当選した「都民ファーストの会」の西郷歩美都議も同席し「知事のパイプ役として頑張る」と宣言。この日の都経済・港湾委員会で自民山崎一輝都議は「プライベートの域を超えている」と非難した。

 議事録では小島氏が仲卸業者に対し、危機感をあおり生々しく説得する場面が目立った。一時豊洲へ行き、築地に戻らなければ「仲卸は廃業する」と断言。「役所は懐に飛び込んできた人の話は聞くが、反対者の話は聞かない。ずっとアウトサイダーでいるのか」と「アメ」をちらつかせ小池方針への賛同を促す発言もした。さらに、移転を進めたにもかかわらず豊洲市場の機能について「物流動線は理解しがたい。仲卸としてあの場所はものすごく使えない」とこき下ろした。

 築地再開発の時期を「2022年9月」とし、市場機能を分離させ「市場内取引は築地、物流機能は豊洲」と訴えた。築地も「中央卸売市場」とすることは「必要ない」とし「(国の)卸売市場法が変わるから」と言い切った。「民間で1000億円でできるものが都の入札を通すと2000億円になる」と都も批判。出席者が「知事はこの案を見ているか」と問うと「知っている」と答えていた。