衆院選はきょう10日、公示される。公示前から日々の動きが「劇場化」し、総選挙では異例の展開が続く。流れをつくったのが、突如、希望の党を立ち上げた小池百合子代表(65=東京都知事)だ。小池氏は9日、都内で日刊スポーツのインタビューに応じ、国民注視の中、あわただしく続いた政界再編の動きを「画期的」と評した。これまで「大人の関係」にあった安倍晋三首相とは、対決姿勢を鮮明に。「これは戦いだ。安倍1強政治はNOだと言っていきたい」。結果が見通せない衆院選。最後に笑うのは誰なのか。

 -公示を前に「打倒安倍政権」を鮮明にしてきた

 小池氏 東京五輪・パラリンピックなどで政府との連携は必要。重要性にかんがみ、いろんな接点を大切にしてきたが、選挙は戦いだ。明確にスタンスを出さないと戦いになりません。

 -森友&加計問題での対応を批判しています

 小池氏 (大学)開校の年が前倒しされ、来年開設しないとまずい状況だったのではないかと考えると、結局「お友達」の問題につながる。この問題を隠すことに、冒頭解散の最大の理由があったのではないか。選挙では「安倍1強政治はNO」と訴えたい。

 -衆院解散なら新党結成と、準備していたのか

 小池氏 最初から出馬は考えていませんが、解散はいつあってもおかしくない。都政を進める上で、(都が関わる)特区の停滞もあった。五輪も、国がもう少し関与してくれないと「祝祭」にならず、国会で(国に)声を出してくれる人が欲しかった。都政と国政の連携を進めるためです。

 -民進党の前原誠司代表とはどんな協議を

 小池氏 最初は希望の党だけで挑戦するつもりで、民進党の方といっしょにやるのは想定を超えた面もあった。基本的に政策が一致しなければ、と申した。政治の現場は、現実と理想のバランスをどうとるか。国際情勢が厳しい中(民進出身者が)リアルな政治を望まれたのは日本の政治にも重要。これまでの政界再編は水面下でのことが多い。表舞台で行われたのは、画期的だったと思いますね。

 -首相候補を示さないのはマイナスでは

 小池氏 そんなことはありません。(選挙後に)きっちり決めていく。

 -選挙後、自民・石破茂氏との連携はありますか

 小池氏 (対立)候補を出していないのは石破さんや野田聖子さんの選挙区だけではない。これまでも友人だし、国政と都政で協力関係は続くと思う。

 -選挙後の選択肢は多いということですか

 小池氏 それは誰にとっても同じではないですか。

 -都知事の任期4年はまっとうするか

 小池氏 当然、そうだと思います。

 -知事と党代表の二足のわらじは

 小池氏 普通にこなします。(大阪府知事で日本維新の会の)松井一郎代表も同じです。

 -今も女性初の総理を目指していますか

 小池氏 政治は生き物。今は、仲間が勝てるよう集中し、国政との連携による相乗効果で、都政も良くしていきたい。【聞き手 中山知子】