囲碁界で7大タイトルを再度、全制覇した井山裕太九段(28)が、今年は「世界一」を目指す。昨年は国内で7冠復帰を果たすとともに、国際棋戦の「LG杯朝鮮日報棋王戦」で自身初めて決勝へと進出した。2月には謝爾豪(しゃ・じごう)五段(中国)との決勝3番勝負を控える。将棋の羽生善治竜王(47)とともに国民栄誉賞の授与が検討されている囲碁界のスーパーヒーローは18年、さらに上を目指して戦っていく。

<井山裕太九段アラカルト>

 ◆生年月日 1989年(平元)5月24日、大阪府東大阪市生まれ。

 ◆小2で日本一 孔舎衙(くさか)東小2年の97年、少年少女囲碁大会で優勝。翌年連覇。小2での優勝は86年の山下敬吾(現九段)以来。中1でプロ入り。囲碁に専念するため高校には進学していない。

 ◆あこがれ イチロー。世界にはばたきたいとの思いから。

 ◆史上最年少タイトル 05年10月、16歳4カ月で阿含・桐山杯全日本早碁オープンを制し、囲碁界史上最年少優勝。囲碁の公式戦はすべてタイトル戦。

 ◆飛び級 公式戦優勝の規定により05年、四段から七段に史上初の飛び級。

 ◆6年連続賞金王 11年に9151万円で初賞金王。12年は初の大台となる、1億620万円、13年1億6461万円、14年1億4078万円、15年は囲碁界最高記録となる1億7212万円を獲得。16年は1億3494万円。

 ◆7冠独占 16年4月、十段を奪取して、囲碁界初の7冠独占。同年11月に名人を失い、197日で独占は終了したが、17年10月に名人を奪還し再度7冠に。通算610勝217敗。