将棋界初の「中学生六段」に昇段した藤井聡太六段(15)の師匠である杉本昌隆七段(49)が、敗戦となった師弟対決にまつわる裏話を明かした。

 杉本七段は15日、フジテレビ系「直撃LIVE グッディ!」に生出演。藤井六段と公式戦初対局となった8日の第68期王将戦1次予選2回戦を振り返った。

 先手の杉本七段は1手目に約2分間を使うなどして藤井六段に揺さぶりを掛けたが、実は「本当は5分くらいを考えていた」という。しかし「後ろでカメラを持っている方がたくさんいらっしゃるんで、重たいだろうなと思って」と報道陣を気遣い、短縮していたことを明かした。

 藤井六段から“恩返し”された感想を聞かれると「いや、ほんとは悔しいです」と本音をポロリ。対局後には藤井六段と一緒に新幹線で帰ったそうだが、車内の電光掲示板に「藤井勝利」のニュースが3回ほど流れ、2人で気まずい思いをしたという切ないエピソードも笑顔で語った。

 藤井六段との再戦については「これ以上強くなっちゃうともう、こちらがかなわないんですけど、まあもう1回、早く対戦したいですね」意欲を見せ、「まあ、もう十分強いんですけどね」と弟子の成長を誇らしそうに、目を細めた。