自民党は13日夜、再審制度を見直す刑事訴訟法改正案を事前審査する司法制度調査会と法務部会の合同会議を党本部で開き、これまで異論や批判が相次ぎ「差し戻し」が続いていた法務省による3度目の修正案を、了承した。

当初の修正案で、審理長期化の一因とされてきた検察の不服申し立て(抗告)の原則禁止を「付則」に盛り込む内容だったが、党側の納得を得られなかった。最終的に、刑事訴訟法の本体部分に当たる本則に「原則禁止」を盛り込むよう求める自民側の意見を法務省側がのんだことで、最終的に了承される形になった。

自民内の議論が一定の結論を迎えたことで、政府は15日に閣議決定する方針で、今国会に提出される見通し。党内議論は3月下旬に始まり、政府は当初4月上旬の国会提出を目指したが、1カ月以上も遅れる形となった。同法案は、高市早苗首相が質疑に臨む「重要広範議案」に指定されているだけに、異例の対応となっていた。

法務省案の内容に対し、弁護士資格を持つ議員として再三にわたり時に声を荒らげて異議を唱え、今回の問題に注目を集める一つのきっかけにもなった稲田朋美元防衛相は取材に「いろいろ言いたいことはあるし刑事司法の信頼回復は道半ばではありますが、ここで了としたい。大きな前進ではあるので、冤罪(えんざい)被害者の救済を早くやっていく。そのためには、不十分な点の議論もしっかり続けたい。刑事司法の信頼回復と冤罪被害者の早期救済に尽力したい」と述べた。

ただ、稲田氏らは当初「原則禁止」ではなく「全面禁止」を求めるなど、必ずしも今回、当初目指した形が完全に実現したわけではない。会合後、記者会見した再審制度の超党派議連会長を務める柴山昌彦元文科相は「断腸の思いだが、了承した。半歩でも前進した方がいい。議論がこれで終わったとは受け止めていない」と強調。出席者からは「断腸の思い」「悔し涙の一任」「道半ばの第1歩」などのコメントが相次いだ。また、弁護士資格を持つ森雅子元法相は、「私は一任しますとは言わなかった。賛成多数で一任されたのだと思う」と主張。多くの議員から、法案が国会に提出された後の審議に、丁寧に向き合う必要性を訴える声が相次いだ。