史上最年少プロ棋士、藤井聡太六段(15)が20日、名古屋大学教育学部付属中学校(名古屋市千種区)の修了式に出席した。

 同校を卒業する藤井は日本将棋連盟を通じ「卒業というひとつの節目に際し、気持ちを新たにさらなる高みを目指していく所存です」とコメントした。中高一貫校のため、受験なしで付属高に進学する。

 藤井はデビュー2年目に入っても、記録を塗り替え続けている。2月17日には全棋士参加の「朝日杯」で初優勝し、五段昇段からわずか16日で六段に。13日には対局数、勝数、勝率、連勝と記録全4部門の1位を確定させた。

 高校進学後も愛知県瀬戸市の自宅から、名古屋市内にある高校に通うことになる。学業と将棋との両立は肉体的にもハードだ。対局が週に2日以上入るときもあり、対戦が長引くと大阪や東京に宿泊する日もある。強くなればなるほど対局は増える。

 これまで中学生でプロになった4人(加藤一二三・九段、谷川浩司九段、羽生善治2冠、渡辺明棋王)はいずれも高校に進学している。中学生でプロ棋士になった先人たちの「定跡」もあった。

 一時期、高校進学か、中卒でプロ1本かを迷ったこともあったが、今春から高校生として学業と将棋の両立という「難局」に立ち向かう。これまでの取材に高校進学について「1歩1歩、強くなる目標に全力を尽くしたい」と決意を語っている。