新潟市西区の大桃珠生さん(7)が殺害され、JR越後線の線路に遺棄された事件で、死体遺棄などの容疑で逮捕された小林遼容疑者(23)が殺害について認める供述をしていることが15日、捜査関係者への取材で分かった。「車で女児にぶつかった」とも供述する一方、遺体には衝突の形跡がなく、新潟西署捜査本部は慎重に裏付けを進める。捜査関係者らによると、小林容疑者は4月に県青少年健全育成条例違反容疑で書類送検されており、事件翌朝には捜査線上に浮上していたとみられる。

 小林容疑者が勤務していた新潟市内の電気工事会社の社長(58)が15日、報道陣の取材に応じた。同容疑者は事件当日の7日に会社を無断欠勤。終日連絡が取れず、以降1度も出社しなかったと明かした。4月に書類送検された事実も、会社は把握していなかった。

 事件翌日の8日朝には、警察から「小林さんは出社していますか?」と問い合わせがあり、その後も警察から出社を確認する連絡が毎日入ったが、社長は「まさか(事件には)関係ないと思っていた」と述べた。

 小林容疑者からは8日中に「会社に向かったが着く前に気分が悪くなり、たどり着けなかった」とメールがあった。その後も会社の総務と連絡を取り、社長も11日に電話で直接話をした。同容疑者は「ご迷惑を掛けて申し訳ない。来週からは出勤できると思う」などと話していたという。

 同社の従業員は約50人。小林容疑者は入社6年目で、これまで無断欠勤などは1度もなかった。ビルや事務所の電気配線などを担当し、働きぶりも真面目。会社行事にも出席し、従業員の家族らも参加するバーベキューでは、同僚の子どもたちとも普通に接していたという。

 他の従業員も「本当に普通の人だと思っていた」。社長は「あいさつもしっかりできて、いつもニコニコしていた。まだ信じられないが、真実を話してほしい」と訴えた。【太田皐介】