史上初の米朝首脳会談が開かれたシンガポールでは13日、「宴(うたげ)の後」ともいえる後片付け作業が行われた。

 トランプ米大統領、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長がともに12日中に帰国の途に就いたことから、2人が宿泊していたシャングリラ、セントレジス両ホテルも、厳戒警備体制が解除された。特に、道路に面し、正恩氏の出入りが外から見えないよう巨大な幕で玄関を覆い隠していたセントレジスホテルは、この幕をすべて取り外し、警察による乗用車の検査レーンも撤去、一般の出入りも可能となった。正恩氏が滞在中は口数が少なかった従業員も笑顔で業務に当たった。

 各国から約2500人が登録し取材拠点となったメディアセンターも、予定を早めて同日夕に閉鎖。現地メディア記者は「会談の内容次第では、日程延長も覚悟した」と拍子抜けしながらも、「ジャーナリストが押し寄せ、満室のホテルも多かった。シンガポールにはいいPRの機会になったと思う」と話した。(シンガポール=中山知子)