2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開閉会式を演出する総合統括に、狂言師の野村萬斎(52)が就任することが30日、決まった。福島県のJヴィレッジ(広野・楢葉町)で開かれた大会組織委員会の理事会で承認された。

 五輪統括には映画監督の山崎貴氏(54)、パラリンピック統括には広告クリエーティブディレクターの佐々木宏氏(64)が就任した。五輪は野村と山崎氏、パラリンピックは野村と佐々木氏が中心となって具体的な演出企画を制作する。

 野村萬斎、山崎貴氏、佐々木宏氏の略歴は次のとおり。

 ◆野村萬斎(のむら・まんさい)本名野村武司。1966年(昭41)4月5日、東京都生まれ。250年間続く狂言一家に生まれ、江戸前狂言の開祖とされた祖父・故6世野村万蔵(人間国宝)、父・野村万作(同)に師事。3歳で初舞台。東京芸大卒。94年に萬斎を襲名。同年NHK大河ドラマ「花の乱」に細川勝元役で出演。97年NHK連続テレビ小説「あぐり」に出演。02年に東京・世田谷パブリックシアター芸術監督に就任。主演した映画「陰陽師」「のぼうの城」で日本アカデミー賞受賞。

 ◆山崎貴(やまざき・たかし)1964年(昭39)6月12日、長野県松本市生まれ。阿佐ケ谷美術専門学校卒。00年「ジュブナイル」で映画監督デビュー。05年「ALWAYS三丁目の夕日」で日本アカデミー賞で最優秀作品賞など14部門を受賞、日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞獲得。13年「永遠の0」で日本アカデミー賞最優秀作品賞など8部門受賞。14年「STAND BY ME ドラえもん」で同賞最優秀アニメーション作品賞、日刊スポーツ映画大賞監督賞を受賞。

 ◆佐々木宏(ささき・ひろし)1954年(昭29)10月18日、熊本県八代市生まれ。慶大卒業後、77年に電通入社。26年間在籍し、クリエーティブ局長を経て、03年に独立し「シンガタ」を設立。JR東海「そうだ 京都、行こう」、富士フイルム「お正月を写そう」などの長寿CMを制作。他にもソフトバンク「犬のお父さん」、サントリー「BOSS」の「宇宙人ジョーンズ」などを手がけた。トヨタ自動車の「ReBORNキャンペーン」ではフランス人俳優ジャン・レノを実写版のドラえもんに起用し、話題となった。東京電力福島第1原発事故後、双葉郡内の県立高校は再開のめどが立たず、15年に開校した福島県立ふたば未来学園の応援団も務めている。