台風21号の影響で現在も停電や断水などの被害が続いている大阪府豊中市は6日、台風関連で市のホームページに掲載した内容に不適切な表現があったとして、掲載を削除し、その経緯について説明した。

市内では、4日正午すぎから接近した台風の強風雨で多くの電柱がなぎ倒され、広範囲で停電が発生。迅速な復旧作業が行われているが、市が確認しているところでは6日午前9時の時点で約2万9100軒が停電している。その影響で、受水槽を利用し電力によってポンプで供水するマンションなどの集合住宅で断水が発生した。

そんな中、被害翌日の5日午後6時、「公園の水道をご使用ください」というタイトルで次のような内容がホームページに掲載された。

このたびの台風第21号の被害に伴う停電などにより断水でお困りの場合は、お近くの公園の水道をご使用ください。(原文まま)

だが、この文章に対してSNS上では、市への不満が続出。

市の広報担当者は「危機管理課の方で停電、断水に対し、水を得る1つの手法として公園の水も安全な水なので掲載した」とその意図を説明。内容についての直接な問い合わせは数件だったというが、「SNSでも意見などがありましたが、捉える方によっては『公園の水でも飲んどけ』と、市民に意図するところとは違う誤解を与える表現になっている」とし、この日の午前10時に掲載を削除したと弁明した。

上下水道局によると、市内すべての公園の水質に問題は無いと言うが、あまり使用されていないところでは、水道管に古い水が少したまっている恐れもあると話した。

市によると、現時点で断水関連の問い合わせが550件を超えているというが、今回は電柱倒壊による部分的で広範囲な停電のため、「断水範囲が特定できず、被害状況の把握が難しい」という。「電気は付いたけど水が出ない」という問い合わせも多く、集合住宅の設備によっては、電気復旧とともにポンプがすぐには作動しないところも。

現時点で給水車の稼働は検討中とし、問い合わせには電気を必要としない直圧式水道の案内や、消火栓を使用した緊急給水栓などを開設し対応しているという。