史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段（16）が17日、大阪市の関西将棋会館で指された第49期新人王戦決勝3番勝負の第2局で、プロ棋士養成機関「奨励会」の出口若武（わかむ）三段（23）を破り、優勝した。

同棋戦の最年少優勝記録を31年ぶりに塗り替えた。藤井は2月、全棋士が参加する朝日杯オープン戦で史上最年少優勝を飾っており、2回目の棋戦優勝となった。藤井の通算成績は94勝17敗。

歴代1位の29連勝、史上最年少の公式戦優勝など、数々の記録を打ち立てる藤井に、また新たな記録が加わった。日本将棋連盟によると新人王戦の最年少優勝は1987年、森内俊之九段（48）の17歳0カ月。この記録を31年ぶりに更新する16歳2カ月、史上最年少での優勝となった。

対局は藤井が中盤でリードを奪い、的確な攻めで相手を投了に追い込んだ。安定した戦いぶりで第1局に続く、快勝だった。

新人王戦の参加資格は六段以下。わずか1年7カ月で、五段、六段、七段と異例のスピードで3段階の昇段を実現したため、若手棋戦の参加資格から次々とはずれ、今期の新人王戦が最後のチャンスだった。

新人王戦の歴代優勝者には羽生善治竜王（48）、渡辺明棋王（34）らがいて、トップ棋士への登竜門として知られる。藤井がラストチャンスをモノにした。