国が同性間の結婚を認めないのは、憲法が認める婚姻の自由を侵害しているとして、同性カップル13組が14日、東京など4地裁に集団提訴した。原告側弁護団によると、同性婚合憲性を問う訴訟は初。クラウドファンディングで訴訟費用を募ることも発表された。

“親カップル”も訴訟に加わる。西川麻実さん(40代)には高校生、小野春さん(40代)には大学生と高校生の子供がいる。子供たちからはLINEで「あらためて頑張ってね」などとエールを送られた。

ともに離婚歴がある。14年前に経済状況などにより同居後、交際開始し、5人家族として暮らしてきた。

西川さんが結婚していた理由は、家庭を築く願望が強かったため。「同性愛者で家庭を持つことは不可能と考えていた。でも異性愛者のふりをして、そう扱われることが想像以上につらかった」と回想する。

小野さんは「自分は異性愛者と思っていた」という。西川さんと同居し「彼氏や夫と変わらず、大切に思った」と心境に気づいた。

10年の結婚式直前、交際関係を子供たちに告げた。子供たちは驚いたが、家族生活で築いた絆は揺るがず、円満に生活している。

提訴について小野さんは「子供が小さかったら(参加を)断ってました。自分たちで判断できる年齢になり、私たちもできることをしないといけない」と話す。16年に乳がんを経験したことも決意を後押しした。「手術、告知を受けるときも『家族のみ』と言われた。パートナーに子を託せるのか心配で、死んでも死にきれない思い」と、共同親権を得る闘いでもある。【大井義明】