日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)の弁護団の弘中惇一郎弁護士(73)が24日、都内で取材に応じ、東京地検特捜部が東京地裁に提出した意見書で同被告夫人のキャロルさんがゴーン被告の4度目の逮捕後、事件関係者に接触したとの主張などについて、この日までに反論に当たる書面を東京地裁に出したと明らかにした。

東京地検は、ゴーン被告について、弁護人らを除き接見禁止とするよう東京地裁に請求したが退けられ、23日に準抗告した。

弘中弁護士は書面について「キャロルさんのことを言われているものですから、検察の意見を考えて若干の資料は出した。それが実質的に反論と言えば、反論なのかも知れませんけど」と説明。その上で「(キャロルさんが事件関係者と)接触はしていないということに変わっていません。そういう問題について、補充的な資料を(文書で)出しました」と語った。

一部報道で、キャロルさんが事件関係者と会ったと報じられたことに対し、訂正を求めているとした上で「報道されたり検察がおっしゃったことは何も心配ないと言っている。罪証隠滅に当たる行為はしていなし、これからもすることはないということを申し上げている」と強調した。

東京地裁の判断は、明日25日にも出るもようで、弘中弁護士も「明日になるということは、こちらは了解しています」。報道陣から「裁判所の審理が長引いているが?」と聞かれると「こちらは裁判所を信頼していますので、結論については、いい方向に行くんだろうと思っています」と保釈に期待した。その上で「やはり条件設定が前と比べて、家族を巻きこんだような形の事件構成になっていますから、その条件設定が結構、前より複雑になっているのでは?」と推察。保釈金の準備も出来ているといい、振り込みについては「準抗告の決定を待ってからになりますね」と答えた。その上で「明日の午前中に決定が出れば、何とか間に合うだろうと思っていますが」と連休前に保釈される可能性があるとの認識を示した。【村上幸将】