8日午前10時15分ごろ、大津市大萱6丁目の交差点で軽乗用車と乗用車の衝突事故があり、弾みで軽乗用車が、横断歩道を渡るために信号待ちをしていた「レイモンド淡海(おうみ)保育園」の園児13人と保育士3人の計16人の列に突っ込んだ。多数の園児が下敷きになるなど、いずれも2歳の男児と女児が死亡した。大津署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)の疑いで、衝突した2台をそれぞれ運転していた2人を現行犯逮捕。うち1人は、過失の度合いが低いとみて同日夜に釈放した。

レイモンド淡海保育園を運営する社会福祉法人「檸檬(れもん)会」(和歌山県紀の川市)の前田効多郎理事長らが8日夕、大津市内で会見した。前田理事長は「このような痛ましい事故に大変驚き、亡くなられた園児たちの未来のことを思うと本当に残念でならない」と言葉を詰まらせた。

亡くなった伊藤雅宮(がく)ちゃんと原田優衣ちゃんについて、若松ひろみ園長は「とても素直でいつも笑顔を絶やさない子でした。すいません、なにも言えないです…」と泣き崩れた。

被害に遭ったのは、うさぎ組の13人。午前10時すぎ、同園からいつもの散歩コースに出発。事故現場の横断歩道を渡り、同園の近くまで戻ってきて、びわ湖湖畔の緑地帯で「外遊び」をして、45分後に園に戻ってくるはずだった。「いつもと変わらず出て行きました。申し訳ありません…、申し訳ありません…」。机に頭をつけ、号泣した。