政治資金問題で竹山修身前市長が辞職したことに伴う堺市長選が9日投開票され、大阪維新の会の元大阪府議、永藤英機氏(42)が自民党市議らが支援する無所属の元市議野村友昭氏(45)ら2人を破り、初当選した。維新は大阪府、市のダブル首長選、衆院大阪12区補選に続く“4連勝”で、夏の参院選へ弾みをつけた。

大阪での維新の勢いが止まらない。堺市内の選挙事務所でマイクを握った永藤氏は「新しい堺を、と後押ししてくれた、みなさんのおかげです」と喜んだ。堺市長選では過去2回、反維新を掲げた竹山氏に連敗を喫し、堺は反維新の「牙城(がじょう)」とされてきた。堺での大接戦を制した維新は、初めて大阪府知事、大阪市長、堺市長と大阪の「3トップ」を押さえた。

前回から連続挑戦となった永藤氏は、選挙戦で代表の松井一郎大阪市長や吉村洋文知事と連携し、堺の経済を成長させるとアピール。一方の野村氏は、大阪維新の看板政策「大阪都構想」が堺市にも広がり、政令指定都市である堺市が廃止されると主張したが、及ばなかった。

悲願だった百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録が“内定”し、盛り上がる堺市に誕生した維新の新市長は「堺の未来を作っていきたい」と力強く宣言した。【松浦隆司】