両議院は21日、「老後2000万円」問題をめぐり、金融庁金融審議会の報告書受け取りを拒否した麻生太郎財務相兼金融担当相に対する不信任決議案、問責決議案を、与党などの反対多数でそれぞれ否決した。1人の大臣に、1日で2つの決議案が議決されるのは異例。野党側は「都合の悪い真実を次々と隠蔽(いんぺい)するのは、森友問題と全く同じ」「前代未聞の暴挙だ」と終日追及したが、麻生氏は衆院本会議で、隣席の安倍晋三首相と談笑する場面もあった。

一方、野党側は参院に首相の問責決議案を提出した。26日の国会会期末を控え、最大の焦点である内閣不信任決議案を提出するかどうか、24日に最終判断する。野党の一部には慎重論もあるが、来週は首相が追及の最終ターゲットとなる。

首相はこの日、公明党の山口那津男代表と会談し、衆参ダブル選に向けた衆院解散は検討していないことを伝えた。参院選は「7月4日公示-21日投開票」で行われる見通し。