日本囲碁史上最年少の10歳0カ月30日でプロ入りした仲邑菫初段(10)が18日、都内で行われた世界ペア碁最強位戦2019(19日開幕)の併催イベント「ペア碁俊英ドリームマッチ」で、同期の福岡航太朗初段(13歳)と組みペア碁に初挑戦したが、中国代表の呉依銘(ウ・イミン)(12)、胡子豪(コ・シゴウ)(12)両初段に敗れた。

対戦相手の呉初段は昨年、昇段を決める中国囲碁大手合で女子組1位となり、現在はプロ棋士の地域対抗リーグ戦「中国甲級リーグ」でも戦っている強豪。胡初段も17年には百霊杯全国少年少女大会少年組に優勝し、18年に中国囲碁大手合男子組16位でプロ入りした実力者だった。前半は拮抗(きっこう)したが、中盤にミスが出て最後は寄せ勝負で突き放された。

仲邑初段は主催者を通じ「ペア碁は今までやったことがなかったので、おもしろかったです」とコメントした。ただ、対局後は悔しさをにじませ、顔をしかめる場面もあった。会見では質問を振られたが、はにかんで笑みを浮かべたり、首をかしげたりした。ただ、今後の目標を聞かれると「世界で戦える棋士になりたい」と、いつも通りの言葉を口にした。

勝てば2020年7月2日に開幕予定の「ペア碁ワールドカップ2020 JAPAN」の出場権を獲得できたが、及ばなかった。同大会は、世界ペア碁最強位戦2019に参戦する日本、中国、台湾、韓国に加え、欧州、北米など世界各地から代表を呼び、東京オリンピック(五輪)直前にペア碁世界一を決める大会として開催される予定。自らの目標をかなえ、現在地点を探るには最適の大会への出場は逃したが、目標にブレはない。この日、世界ペア碁最強位保持ペアとして登壇した、韓国の朴廷桓(パク・ジョンファン)九段のファンで、主催者を通じ「朴先生のような世界一の棋士になりたいです! 中国や台湾の強い棋士たちに勝ちたいです」とコメントした。

仲邑初段とペアを組んだ福岡初段は、大会までにプロ、アマ通じて40回の対局を経て、大会に臨んだと明かした。世界ペア碁最強位戦に出場する、藤沢里菜四段・一力遼八段組とも2回、対局したといい「かなり、いろいろな先生と打てたので勉強になりました」と振り返った。

仲邑初段は登壇後、福岡初段と会話を交わし、時折、笑みを浮かべていた。主催者を通じ「航太朗くんとは、会える時に練習していました。藤沢先生・一力先生ペアとも対戦しました!」とコメントした。【村上幸将】