東京都の小池百合子知事が、元ヤフー社長で今年7月に東京都参与に就任した宮坂学氏(51)を、「右腕的」存在の都副知事に起用する方針を固めたことが4日、関係者への取材で分かった。

小池氏が肝いりで進める、高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムの推進に向けた都の基本戦略「東京データハイウェイ」の策定に尽力したのが宮坂氏。小池氏は5Gの環境整備を「今後の国際都市間競争で必須」と位置づけ、宮坂氏の手腕を評価した。開会中の都議会の同意を得て、正式に選任される。

宮坂氏は97年にヤフー入社後、社長や会長を歴任。今年6月18日付で退任し、非常勤の特別職である都の参与としてネット事業などで助言を続けている。小池氏は先月末の会見で、宮坂氏について「ネット業界での蓄積、実績を持ち、都民の生活向上の観点から、人柄も含めて連携を取りやすい。今後も活躍に期待したい」と評していた。民間出身の副知事起用は石原慎太郎都政の猪瀬直樹氏以来で、小池都政では初。