小泉進次郎環境相は10日の衆院予算委員会で、今年のノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が研究を続けたリチウムイオン電池に関連し、この電池を電気自動車(EV)に積載するため、07年以降、環境省が技術開発の支援を続けてきたと紹介した。

再生可能エネルギーの普及に関し、蓄電池を今後どう生かしていくかという公明党の石田祝稔氏の質問に答えた。

進次郎氏は「ノーベル賞という喜ばしいニュースに併せて、環境省に触れていただき心から感謝したい」と切り出した上で、環境省の技術開発支援は「ほとんど知られていない」と指摘した。「今回、吉野先生の長年の研究の成果が、ノーベル賞としてつながり、その背景の中には、環境省というプレーヤーもいたことを、多くの国民のみなさんにも知ってほしい」と、訴えた。

質問に対しては「再エネをどうやって主力電源化していくのか。蓄電のような技術についても、非連続のイノベーションを次々生みだして、今後も環境省が支援する技術開発の中でノーベル賞の受賞のようなものが出てくるように、引き続き支援をしていきたい」と、答えた。

リチウムイオン電池は使い捨ての乾電池などと異なり、何度も充電して使える蓄電池。吉野氏は9日の受賞会見で「(リチウムイオン電池を搭載した)電気自動車が普及して巨大な蓄電システムができれば、太陽光発電なども普及して環境問題の解決に貢献できる」と、言及していた。