家電大手のヤマダ電機(群馬県高崎市)が12日、家具販売の大塚家具(東京都江東区)を買収すると発表し同日、都内で会見を開いた。大塚家具の大塚久美子社長(51)は「令和に通じる大塚家具を模索してきた。時代にあった大塚家具にするために、あえて父のやり方を変えなければいけなかった」と、父で創業者の、匠大塚(埼玉県春日部市)大塚勝久会長(76)について触れた。

大塚家具の買収を受けて、勝久氏がどのような反応を示すかが注目されたが、匠大塚の関係者は取材に「会社が違うので特段、コメントはありません。取材対応の予定もありません」と答えた。

大塚社長と勝久氏は、大塚社長が2009年に社長に就任後、経営方針をめぐり対立。14年に取締役会が大塚社長を解任すると、勝久氏が社長に復帰したが、翌15年に1月に勝久氏が再び社長を解任されると、同年3月に任期満了で会長からも退任。勝久氏は同7月に匠大塚を設立し会長に就任した。

勝久氏が去った後、大塚家具は法人向け事業を拡大したり、店舗面積の縮小などの再編をしてきたが、6季連続赤字と苦しんでいる。一方で匠大塚は高級家具の販売を展開し、好調な業績を上げている。