日本の文化の1つでもあるメイド喫茶でも中国湖北省武漢市で発生した、新型コロナウイルスの感染による肺炎の対策が行われている。

入店時に「3次元の世界では、悪いウイルスがいるということで、2・5次元のこの萌え薬でやっつけちゃいます!」と魔法を掛けられる。秋葉原のメイドカフェ「ハートオブハーツ」では23日の朝から、入店時に除菌ジェルをご主人様にかけるサービスが行われている。

日本の常連客、海外観光客の割合はちょうど半分だという。世界各国からファンの方が訪れると言うが、店員のちゃっぴーさんは「できることは本当に小さいと思うんですけど、お客様にこんな時にでも、笑顔になって欲しいから」ときっかけを話した。中国人客からは「こんなにサービスをしてくれる店は初めてだ」と言われた。SNSでは自ら除菌の動画などを配信し、ファンの方々と、ともに予防することに努めている。

2011年3月11日。東日本大震災時には多くの海外メディアから取材を受け、日本の現状を伝えてもらったという。

2010年9月にオープンした同店にとって、「震災とともに歩んできた店です」。そのことから「社会貢献をしたいという思いが強いです」と話す。2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの招致活動では日本のカルチャーの紹介として取材を受け、招致活動で同店の映像が流れ、日本開催に貢献できたという。

昨年の台風時には、避難所として店を開放した。「1人でいると怖い人もいると思う。少しでも笑顔になれる人がいるならば」と理由を話した。

ちゃっぴーさんはメイドの仕事を「こんなにも身近に笑顔を感じられる仕事はない」。今年は東京五輪・パラリンピックが開催され、より多くの海外観光客の来店が予想される。「秋葉原の文化、日本のカルチャーを世界中に発信していきたい」。SNSでのファンの方々との交流を通して、よりご主人様に喜んでいただけるように。「メイド=人生すべてです」。ちゃっぴーさんはうそのない満面の笑みで「ご主人様の幸せ」を第一に願った。【佐藤勝亮】