国民民主党の小沢一郎衆院議員は10日、東京都内で開いた自身の政治塾で講演し、安倍晋三首相の政治姿勢を厳しく批判した。「日本、日本民族に大きな弊害を与えた安倍さんは、万死に値すると思う」と、糾弾する場面もあった。

背景として「桜を見る会」などをめぐる発言を念頭に「安倍さんは平気でうそをつく。悪ガキと同じで、悪いことをしているのに思わないのが一番の問題だ」と指摘。「『総理がうそをついているので、ついていいだろう』という空気を国民の間に生んだことが、最大の罪悪。精神的なゆがみや崩壊はそう簡単に直らない」と指摘し「今までで最悪の内閣。子どもじみた総理を日本国民はトップに頂いている」と嘆いた。

一方で「3月に予算が成立すれば、いつ解散総選挙になってもおかしくない。安倍氏は感情のおもむくがままに動く傾向がある」と述べ、4月以降の衆院解散・総選挙の可能性に言及。本来、この日は「野党団結の経過と政権獲得の青写真」を話すはずが、国民と立憲民主党の合流は見送りに。「いったんご破算になりました」と無念さをにじませた小沢氏は「衆院解散になれば野党は自民党に勝てないどころか惨敗だ。特に、私が所属する国民民主党の皆さんは自覚しているだろう」と危機感を訴えた。

「桜」問題などスキャンダルが続いても、野党が安倍政権の脅威になれていない現実を踏まえて、早期結集の必要性を強調。9日の政治塾20周年記念講演の講師を、共産党の志位和夫委員長に託す異例の対応を取るなど、長年政局に関わってきた「剛腕」の、孤軍奮闘のアプローチが続いている。【中山知子】