学校法人「森友学園」の国有地売却問題を担当していた財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54)が自殺したのは、佐川宣寿元国税庁長官(62)の指示で決裁文書改ざんを強制されたからなどととして、赤木さんの妻が18日、国と佐川氏に計約1億1000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。妻側は同日「改ざんは佐川氏の指示だった」「嘘(うそ)に嘘を塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応」と記された赤木さんの手記を公表した。

大阪市内で行われた会見の冒頭、妻側の代理人弁護士が妻のメッセージを読み上げた。以下はメッセージ全文。

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夫が亡くなって2年がたちました。あのときどうやったら助けることができたのか。いくら考えても、私には助ける方法がまだ見つかりません。

心のつかえがまだ取れないままで、夫が死を決意した本当のところを知りたいと思っています。

夫が死を選ぶ原因となった改ざんは、だれがなんのためにやったのか。改ざんをする原因となった土地の売り払いはどうやって行われたのか。真実を知りたいです。

今でも近畿財務局の中には、話す機会を奪われ、苦しんでいる人がいます。本当のことを話せる環境を財務省、近畿財務局には作っていただき、この裁判で明らかにしてほしいです。そのためには、まず佐川さんが話さなければいけないと思います。

いまでも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも、佐川さん、どうか、改ざんの経緯を、本当のことを話してください。よろしくお願いします。