日本たばこ産業(JT)は26日、低温加熱型のたばこ用デバイス「プルーム・テック」使用者の生体影響について発表した。参加の同意が得られた21歳以上65歳未満の男女で、プルーム・テックを3カ月以上使用している者259人、紙巻きたばこ喫煙者100人、非喫煙者100人を対象に調査。医療機関に来院し、採血や採尿など各種検査を実施した。

白血球数、HDL(善玉)コレステロールなど、心筋梗塞などの虚血性心疾患、肺気腫などの慢性閉塞(へいそく)性肺疾患という喫煙と関連のある疾患に関する7種類の数値を計測した。「プルーム・テック使用者」グループは、「紙巻きたばこ喫煙者」のグループよりも格段に数値が良く、「非喫煙者」グループの値に近いことが確認された。

試験に助言を送った北里大医学部付属臨床研究センターの熊谷雄治教授は「医学専門家として計画から内容も確認し、科学的な質が確保されるよう助言してきました。本試験は科学的に妥当なものだと考えています」と語った。ただ、「これで疾病リスク軽減とは結論付けられませんので、今後も引き続き研究していく必要があるでしょう」と付け加えていた。

JTではプルーム・テックを、紙巻きたばこの喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性がある「リスク低減製品」と位置づけ、人への健康影響を評価する段階的アプローチを実施してきた。

「たばこベイパー中成分量調査」では、プルーム・テックから発生するたばこ葉由来の成分を含む蒸気(たばこベイパー)から、世界保健機関(WHO)が懸念する9つの物質がほとんど検出されない結果が出たという。

また「人への曝露(ばくろ)量調査」では、プルーム・テックの使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量(曝露量)が紙巻きたばこの喫煙と比べて低減されているかを調べた。紙巻きたばこからプルーム・テックに切り替えた場合、ニコチンを除いた多くの成分の曝露量が、禁煙したグループと同様のレベルまで低減したという。

JT専務執行役員・国内たばこ事業CEOの福地淳一氏は「リスク低減製品は、お客様にとっても社会にとっても有益になりうると考えています。開発や評価の研究について、引き続き一層努力していきます」と話していた。