将棋の渡辺明棋王・王将(36)が初の名人を獲得した。14日からの2日制で行われた第78期名人戦7番勝負第6局(大阪市「関西将棋会館」)は15日午後5時38分、99手で挑戦者の渡辺が、初防衛を目指した豊島将之名人(竜王=30)を下した。これで対戦成績を4勝2敗とし、奪取した。竜王11期など、タイトル通算25期獲得した実力者だが、意外にも名人は初登場。「自分には縁がないのかなと思っていた。まだ実感はない」と、淡々と話した。

渡辺は7月に棋聖を失ったが、3冠に復帰した。同時に加藤一二三・九段(引退=80)谷川浩司九段(58)羽生善治九段(49)に続き、中学生棋士として名人を獲得した。