大阪府の吉村洋文知事(45)と大阪市の松井一郎市長(日本維新の会代表=56)が23日、東京・内幸町の日本記者クラブで会見した。大阪市を廃止し特別区を設置する「大阪都構想」(11月1日投開票予定)について説明した。

15年の住民投票では僅差で否決され、都構想の旗振り役だった維新創始者の橋下徹市長(当時)が政界を引退した。今回、否決された場合の進退について問われた松井市長は「僕の時代に、もう2度と都構想の話はしない。基本的に政治家ですから、任期はしっかりと務めます。橋下さんも任期はしっかり務めた」と前置きし「都構想の住民投票は勝つためにやっているが、負けたら、僕自身の政治家としては終了です」と政界引退の決意を語った。 吉村知事は進退について「都構想が否決されたから辞めるとは考えていない。今回の都構想の住民投票は大阪の将来を考えて冷静に判断していただきたい。進退をからめると、ある意味、信任投票みたいになる」と政界引退を否定した。

また菅首相が早期の衆院解散・総選挙に踏み切り、投開票日が10月25日などになった場合、松井市長、吉村知事は住民投票の前倒しも示唆していた。早期の解散の可能性が低くなったことに松井市長は「解散になるかどうか、これは総理の専権事項です」と話し、「11月1日以前になるならなんとか(投票日を)合わせにいきたいと思っていたが、総理の考えがまずは国会議論し、コロナ対策を打つんだとということであれば、総理のお考えに沿う形になる」と述べた。