来年に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックで、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、専用の保健所の設置が検討されていることが6日、分かった。

現時点では、選手村がある都内だけでなく、外国人選手の事前合宿受け入れを行うなど、参加国や地域の選手らとの交流を担う各地のホストタウンなども含め、全国的にオリ・パラ専用保健所を設置する方向で、今後話し合いが進められるとみられる。

大会関係者はメリットについて「特に外国人選手については入国後の健康状態から、万が一、コロナ感染した場合は発症時期まで、一元的に対応できる」と強調。「安心、安全な大会を行う上で、きっと重要な役割を果たすことになるだろう」と期待を寄せている。

コロナ感染が完全に収束していない現状で、各地の保健所は軒並み、地域住民への対応に追われ、逼迫(ひっぱく)している状況が続く。オリ・パラ専用の保健所設置案は、通常、保健所と連携し、地域住民のコロナ対策を行う自治体でもある東京都が、大会開催時に想定される、さらなる保健所の逼迫を懸念していたことも大きい。保健所の負担軽減と同時に、国民に対して大会開催への理解を求めていく狙いもある。

設置案は今後、組織委、政府、東京都の3者が行う新型コロナウイルス感染症対策会議などで話し合われる予定だ。