5日、東京・豊洲市場で初競りが行われた。全国から出荷された海産物や青果などの2021年の初物が集結し、値がつけられた。

注目されたのは水産卸売場棟の近海で捕獲された生のクロマグロで、青森・大間で釣れた208・4キロの大物が1キロ当たり10万円で入札され、1匹総額で2084万円で取引された。競り落としたのは、仲卸「やま幸(やまゆき)」だった。

すしチェーン「すしざんまい」を運営するつきじ喜代村の最高値は大間産のはえ縄で捕獲した151キロだった。キロ単価2万円(1匹302万円)で落とした。木村清社長(68)は「今年は一番マグロではないけど(脂質の)いいものを10本(匹)買いました。全国の支店で2、3日は楽しめますね」として「(今年の競りは)自粛しました。まずコロナを封じこめないとね」と競り値を上げないようにしたと話した。

豊洲市場では、コロナ禍で初めての初競りとなった。競り場では常にマイクで「3密にならないように競り人だけ競り場に入ってください」と連呼していた。通常は規制していない一般入場を昨年12月23日から今月11日まで禁止として、新型コロナウイルスの感染・まん延の防止対策をとっていた。また、取材する報道陣にはマスクの着用、関連施設への入場前にはアルコール消毒を必須とした。