北の大地から、悲願の金メダルへ好発進を決める。

東京オリンピック(五輪)男女サッカー競技の組み合わせ抽せん会が21日、スイスの国際サッカー連盟(FIFA)で行われた。

開会式に先立った競技開始日となる7月21日の女子日本代表「なでしこジャパン」初戦(午後7時半開始)。舞台は札幌ドーム。16年リオ五輪は不出場だったが、銀メダル獲得の12年ロンドン五輪も最初の出番で「私たちが勝って日本選手団の流れを作ろう」が合言葉だった。偶然にも初戦の相手は同じカナダ(2○1)に決定。当時を知る主将のDF熊谷紗希(30=リヨン)に加え、DF三宅史織(25=INAC神戸)ら北海道出身者も代表選出有力だけに、札幌ドーム担当者は「地元選手にも頑張ってほしいし、最高のコンディションで臨んで、(2戦目を含め)良いスタートダッシュをきっていただけたらうれしい」と期待した。

札幌は日本人が五輪表彰台を独占した地でもある。1972年(昭47)札幌冬季五輪スキージャンプ70メートル級(現在のノーマルヒル)で笠谷幸生、金野昭次、青地清二が金銀銅。「札幌の地から始まるので大きな責任もある。女子も男子もですが『日の丸飛行隊』のように、日本に勢いをつけてほしいです」。

コロナ禍により、国外からの観客は受け入れ断念が決定している。「各国の方々が来られなくなってしまったことは残念。本来は札幌や北海道の魅力を体感していただきたかった」。同ドームはプロ野球日本ハム、サッカーJ1札幌の本拠地として、他の会場以上に対策を踏まえた開催を積んできた。容積158万平方メートルの空間を効率的かつ円滑に換気できるシステムも導入。観客席も足元からの冷風などで気温約25度に調整する暑さ対策も魅力だ。「私たちとしては選手やお客さまが安全安心でいられるよう、万全を期して迎えることが一番大事」と後押しする。【鎌田直秀】