長野県富士見町で12日、ブリーダー業を営む飼い主宅の犬舎から体長約1メートルの「オオカミ犬」2頭が逃走を続けていたが、飼い主、警察、自治体職員らの必死の捕獲作業が実り、午後2時すぎに自宅敷地内で無事に保護された。

11日早朝に補強工事中だった犬舎にいた4頭がいなくなっていることが判明。2頭はすぐに自発的に犬舎に戻ったが、うち2頭は川沿いの茂みに隠れたり、他の犬舎近くなどを逃走。普段食べているエサの肉を入れたワナも仕掛けたが、何度も失敗。大勢の警察らが敷地の外側から犬舎近くまで追い込み、最後は飼い主がタックルするかのように抱え込み、顔部分に黒い布をかけて押さえ込んだ。

飼い主は「本来は飼育方法などを指導する立場であるのに、逃がしてしまった。起きちゃいけないこと。みなさんにご迷惑をかけてしまい本当に申し訳ないと思っています。一般の飼い主が逃がしてしまった責任の10倍重いと思っています」と反省。ブリーダーとして県の許可を得たうえで、二重扉の計13個の大きな犬舎で「オオカミ犬」18頭を飼育している。

◆オオカミ犬 オオカミとハスキーやシェパードなどを掛け合わせた交雑犬で大型犬種の1つ。オオカミの血が75%以上のものはハイパーセントと称され、外見がオオカミに近くなるために人気傾向になる。ハスキー犬に比べるとやせ型で、体毛の密集度が高いために寒さには強い。嗅覚や聴覚、運動能力などは他の犬種よりも優れている。飼い主が主導権を握っていれば人を襲うことは少ないが、犬よりはしつけは難しい。ウルフドッグとも呼ばれる。