将棋の最年少2冠、藤井聡太王位(棋聖=19)が豊島将之叡王(竜王=31)に挑戦している、第6期叡王戦5番勝負第2局が明日3日、山梨県甲府市「常磐ホテル」で行われる。対局を翌日に控えた2日、両者は現地入りし、対局会場の検分などを行った。

初戦を落とし、今回は先手番となる豊島は、「1局目の将棋はちょっと序盤でやや失敗してしまい、中終盤のところでちょっとなにかありそうという感触としてはあったんですが、具体的な手順の組み合わせが発見できませんでした。そういったところを修正していけたらと思います」と抱負を語った。

同時進行で、挑戦者として藤井と戦っている王位戦7番勝負第1局で快勝して以来、直接対決は同第2、第3局、叡王戦開幕局と3連敗中。「やっぱり以前から指していて、手ごわい相手だなというのはありましたし、最近の将棋もチャンスは作れているが、うまく指せていないという形。相手がどうこうというよりも、自分がうまく指せるようになっていけたらと感じています」と話した。

対する挑戦者の藤井は2年前に1度、同所を竜王戦の見学で訪れている。「対局者として来ることができ、非常にうれしく思います。対局室も初めてうかがったんですが、ここから見えるお庭の景色が素晴らしく、非常にいい対局室だなと感じました」と、感想を述べた。そのときは11月だった。今回はせみ時雨を聞きながらの、真夏の対局となる。「暑いのは苦手なんですけど(笑い)。対局室は冷房もきいているので、あしたも快適に臨めるのかなと思います」。

リードして臨む第2局だが、「挑戦者という立場なので、スコアのことは考えず、気負わず臨めればと思っています」と自然体を強調した。同時に豊島戦を意識して、「豊島叡王は本当に序~中盤の精度が高いので、こちらが対応できるかがポイントになると思う。そのうえで、最後までどちらが勝つか分からないような熱戦にできればと思います」というプランを練っている。

現在、豊島には3連勝している。「内容的にはどの将棋も押されている場面があったので、意識が変わったということはない。今回も意識せずに臨みたい」と語った。ちなみに東京五輪に関しては、「対局がかなり忙しかったこともあって、そちらはあまり観戦していないので」と苦笑いしていた。

五輪のような熱戦が繰り広げられるのか。対局の持ち時間は各4時間。3日午前9時、豊島の先手で始まる。