小泉進次郎環境相が、大粒の涙を流した。3日、自民党総裁選への再選出馬を断念した菅義偉首相と官邸で20分会談。同じ神奈川県選出で、求心力が急速に低下していく中でも首相を支え続けた進次郎氏は、会談後の取材で、首相にかけられた言葉を問われると「ひとことでは言えない。本当に、感謝の思いしかないですね…」と言葉を詰まらせ、何度も涙をみせた。

今週に入り、首相と毎日会談。しゃにむに局面打開を模索する首相から幹事長など要職起用の要請もあったが、進次郎氏の思いは違った。「あらゆる選択肢を含めて総理に進言した。ボロボロになっても総裁選に突っ込めという声もあったが、私はその立場ではなかった」。不出馬も選択肢の1つと伝えていたという。

午前の会見では「首相を全力で支えたい」と繰り返した。会見終了直後、総裁選不出馬の一報が。進次郎氏は、事前には知らなかったと認めた上で「あらゆる選択肢の話をさせてもらっていた。判断するのは総理だった」と口にした。

脱炭素政策などを念頭に「批判ばかりではなく、総理の仕事が正当に評価されてほしい。花道をいっしょに考えたい」。良い時も悪い時も首相に向き合ってきた進次郎氏。無念の幕切れとなった。【中山知子】