自民党総裁選は29日、都内のホテルで投開票され、決選投票の結果、岸田文雄前政調会長(64)が河野太郎行革相(58)を破り、新しい総裁に選出された。

新しい自民党総裁は、10月4日に召集される臨時国会で、第100代の内閣総理大臣に指名される。

岸田氏の総裁選勝利で、岸田氏の母校、私立開成高校(東京都荒川区)は、卒業生初の総理大臣誕生という悲願を達成することにもなった。

開成高校は、麻布、武蔵両校とともに「男子御三家」と呼ばれる名門。麻布からは橋本龍太郎氏、福田康夫氏、武蔵には宮沢喜一氏がいるが、開成にはこれまで首相となった卒業生が出ていなかった。

2017年、開成OBの霞が関官僚や国会議員でつくる同窓会組織「永霞会」が発足。OBである岸田氏にとっては、首相を目指す上での「足場」でもあったが、昨年の総裁選では菅義偉首相に大差で敗北した。今回は岸田氏だけでなく、同窓会にとっても悲願に向けた「リベンジ」の戦いだった。

岸田氏は高校時代、硬式野球部に所属。セカンドを守った元球児でもある。

開成学園は今年、創立150周年を迎えた。メモリアルイヤーに記念すべき初の首相誕生も重なった。