将棋の第92期ヒューリック杯棋聖戦で挑戦者の渡辺明名人(棋王・王将=37)に3連勝して、史上最年少でのタイトル初防衛と九段昇段を果たした藤井聡太棋聖(王位・叡王=19)の就位式が10日、東京・台場「グランドニッコー東京 台場」で行われた。式の後には記者会見にも応じた。

-昨年と違い、今年の就位式の印象は

藤井 前期は初タイトルということもあり、実感がわきませんでした。今回は防衛できて、より実感がわいてきました。

-これまでタイトル戦はすべて奪取または防衛です。今後の目標は

藤井 自分としては、結果そのものを気にすることはありません。タイトル戦で得た貴重な経験を生かしていければと思います。

-扇子の揮毫(きごう)である「雲外蒼天(うんがいそうてん)」に込められた意味は

藤井 強くなることで、新しい景色が見えてくるという意味です。字は少しずつ練習していたけらと思います。

-最近、相掛かりをよく採用しますが

今年になって関心をもって指し始めました。序盤から一気に激しくなったり、じっと駒組みしたりとバリエーションも多く、まだまだ分からないところが多いです。バランス良く強くなることが理想です。細かい局面や駒の配置をしっかり判断できるようにしたいです。

-対局が続きますが、体調的にはどうですか

藤井 自分としては充実感があります。1局1局こなして、それを次の対局につなげるという、良いサイクルになっています。

-将来は海外普及も

藤井 将棋は奥深くて素晴らしいゲーム。少しでも多くの人に知ってもらいたいという気持ちがあります。プレーヤーとしていい将棋を指すだけではなく、長期的な視点でやっていきたいです。

-新会館の建設委員にも名を連ねています

藤井 できるだけ協力していきます。対局できる日を楽しみにしています。

-10月でデビュー5年になりました。特にこの1年はタイトル戦にも出場しています

藤井 強い方と数多く対局することができるという点で、得るものが多いです。

-竜王戦第1局も逆転勝ちでしたが、最後まで諦めない闘志の源は何でしょうか

藤井 形勢が苦しいのは、自分がどこかでミスをしたから。残念な気持ちはありますが、終わった後に反省します。1手1手最善を尽くすのが、対局に臨むうえで大切なことです。