ロシアの宇宙船ソユーズに搭乗して国際宇宙ステーション(ISS)に向かう、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(46)が8日午後2時(現地時間午前8時)ころカザフスタンのバイコヌール宇宙基地でソユーズMS-20に乗り込んだ。

前澤氏は、自身の関連会社役員でISS滞在の様子を撮影する平野陽三氏、操縦士でロシア空軍少佐のアレクサンダー・ミシュルキン宇宙飛行士、バックアップクルーの小木曽詢とアレクサンダー・スクボルソフ宇宙飛行士とともに、笑顔で取材陣の前に姿を現した。

前澤氏は、8日午後4時30分(現地時間午後12時40分)ころ打ち上げられるソユーズMS-20でISSに向かい12日間、滞在の予定。同氏によると、民間人宇宙飛行士のISS滞在は日本人としては初めてで、世界でも10人目。日本人の商業宇宙飛行は、ソユーズTM-11で宇宙に向かった元TBSの秋山豊寛氏以来31年ぶり2人目だという。

前日7日に、バイコヌール宇宙基地にあるコスモノートホテルでクルー会見を行った前澤氏は「本当にワクワク、ドキドキしておりまして、遠足を控えている小学生になった気持ちです」とISS渡航に胸を躍らせた。期待していることは? と聞かれると「宇宙から地球を見たい、宇宙でプカプカ浮いてみたい。変わったところでは、自分がこの体験を通して、どれだけ変わることが出来るかにも期待しています」と答えた。

ISSに着いて最初にやりたいことは? と聞かれると「恐らく、トイレに行くと思います。なぜなら着くのに結構、時間がかかるので、駆け込むことを予想しています」と笑みを浮かべた。同氏は10月29日にツイッターに寄せられた「8時間もの間トイレどうすんの?」との質問に対し「はい、オムツをはいていきます。本ちゃん宇宙飛行士の皆さんも同じです!」と答えており、用を足すことを、まず行いたい考えを示した。

今回、ISSに向かう目的の1つに、米宇宙ベンチャー「スペースX」と契約し、23年に予定する民間人初の月周回飛行を計画している宇宙プロジェクト「dearMoon」の、案内人として自身が一足先に宇宙を訪れることで、同乗するクルーの期待や安心感を、より高めるという狙いがある。ISSでやりたいことは? と聞かれると「100個、やることを決めていまして、それにトライしたい。YouTubeで世界に配信したい」と答えた。自身のYouTubeチャンネルで公開予定する動画の、100の撮影テーマを世界中から広く募集するプロジェクト「宇宙でやってほしい100のこと」をツイッターなどで展開しており、その取り組みに力を入れる考えを示した。

前澤氏は「しばらくの間日本食は食べられないかと思いますが、帰国して一番最初に食べたい日本食は何ですか?」と聞かれると「Absolutely SUSHI!」(間違いなく、すし!)と答えている。