新年の幕開けを飾る第98回箱根駅伝が2、3日に開催される。

先導する白バイ隊員にとっても晴れ舞台であり、選手が安全にレースに集中できるよう力が入る。神奈川県警第2交通機動隊の下山優巡査(30)は「国民的行事である箱根駅伝を先導出来ることをうれしく思う。毎日寝る前に本番をシミュレーションしています」と意気込んだ。

下山巡査は青森山田高校(青森市)、駒大(東京都世田谷区)を卒業し、前回大会で優勝を果たした駒大のエース田沢廉(3年)の高校、大学の先輩に当たる。下山巡査は学生時代は硬式テニス部に所属しており、田沢との直接の面識はないというが“共演”が実現しないか、楽しみにしている。下山巡査は3区~5区を先導する予定。「心の中では自分の出身校であるので、頑張って欲しいという気持ちはあります」と明かす一方、「選手を安全に導くのが仕事。そこは別物として考えています」と、任務に集中している。

下山巡査は大学生の時に箱根駅伝を先導する白バイ隊員に憧れ、神奈川県警を目指した。母が箱根駅伝の大ファンだといい、任務の無事完遂が「プレゼントになればうれしい」。第2交通機動隊には3年10カ月在隊した。春には巡査部長に昇任し、他部署に異動する。白バイ隊員として、最後の大舞台に臨むに当たり「(箱根駅伝は)今まで目指してきた場所なのでうれしい。選手の安全を第一に考えて最後まで任務に務めていきたい」と力を込めた。【沢田直人】