ロシアのプーチン大統領(69)の愛人とされる2004年アテネ五輪新体操女子金メダリストのアリーナ・カバエワさん(38)が、再び大統領の子供を妊娠したとロシアのメディアが伝えたと英デーリー・スター紙など複数の欧米メディアが報じた。

9日の対独戦勝記念日を前に妊娠を聞かされたプーチン大統領は憤慨したといい、妊娠は想定外だったと伝えている。2008年に不倫関係が報じられた2人の間には、7歳の双子の娘の他、2015年と19年にスイスで出産した2人の息子がいると言われているが、プーチン大統領は一貫してカバエワさんとの関係を否定している。そのため正式に認められた子供は、前妻との間の2人の娘だけだとされている。

英ザ・サン紙によると、戦勝記念日の軍事パレードの準備をしている最中に妊娠の知らせを受けたプーチン大統領は、妊娠発覚によって継続的なウクライナ侵攻の一環として予定されている軍事パレードが台無しになることに懸念を示し、そのニュースに衝撃を受けていたと伝えている。目撃者によると「落ち込んだように見え、少しよそよそしい感じに見えた」とその時のプーチン大統領の様子も伝えている。

報道の信ぴょう性は不明だが、プーチン大統領が近日中にがんの手術を受ける予定だと伝えた元ロシア対外情報庁中尉が運営しているとみられるロシアのSNSテレグラム・チャンネルGeneral SVRも、カバエワさんの妊娠について「父親は誰?」と皮肉を込めて伝えている。

スイスで子供たちと極秘生活を送っていると伝えられているカバエワさんは先月、モスクワで行われた自身の慈善団体が主催する新体操のイベントに姿を見せて話題になっていた。公の場にめったに姿を現さないカバエワさんがサプライズで登場したことは大きなニュースになっていた。

現役引退後は議員を8年間務め、14年に議員職を退いた後はナショナルメディアグループの代表を務めているカバエワさんの年収はおよそ1000万ドル(約13億円)だと伝えられており、ウクライナ侵攻を巡って欧州連合(EU)の対ロシア制裁リストに名を連ねる可能性も取り沙汰されている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)