里見香奈女流王将(白玲・清麗・女流王座・女流王位・倉敷藤花=30)に西山朋佳女王(27)が挑戦している、将棋の第44期霧島酒造杯女流王将戦3番勝負第3局が28日午前10時、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で始まった。対局は午後3時41分、106手で後手の西山が勝ち、対戦成績2勝1敗でタイトルを奪取。2年ぶり3期目の獲得となり、女王と合わせて2冠となった。里見は21日に白玲を西山から奪取して約3年ぶりの女流6冠となったが、1週間で5冠に後退した。

西山は思い切って踏み込んだ。結果的に快勝。「玉が薄い形のまま攻めたが、ぎりぎりつながった。2冠復帰は光栄なこと。いろいろな展開を経験でき、大変実りのあるシリーズだったと思います」と語った。

先手番を生かせなかった里見は、「早い段階で動いていったが、その後、駒を引いてしまったのがどうだったのか。自分の対応力の甘さが見えたので、そのあたりを強化したい」とした。

両者は今年これで4回、タイトル戦で激突している。マイナビ女子オープン(タイトル名「女王」)5番勝負は西山が3勝2敗で防衛、女流王位戦5番勝負は里見が3勝1敗で防衛、白玲戦7番勝負は4勝3敗で里見が奪取、女流王将戦は西山が奪取と、互角に渡り合っている。

11月には里見に西山が挑戦する倉敷藤花戦3番勝負が始まる。女流棋界を代表する2人の頂上対決から、まだまだ目が離せない。