素性を隠して日々、ラジオ番組のトークをせっせと書き起こし、インターネットにアップし続ける「謎のラジオ書き起こし職人」。それが、みやーんZZさんだ。なぜ、そんなことを? ラジオ局に怒られませんか?

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一般のリスナーによる書き起こしサイトに対し、ラジオ各局が自社でメディアを開設する動きもある。

エフエム東京は、2015年(平27)から「TOKYO FM+」(東京エフエムプラス=TFM+)で独自に発信している。福山雅治、桑田佳祐といった人気パーソナリティーのトークの一部書き起こしなど配信記事は月間300本。業界では先駆けとなった取り組みで、20年8月には月間4000万ページビューを突破した。ヤフーなど提携するニュースサイト25媒体やSNSを通じて記事を拡散、サイトへの誘導につなげている。

同社の調べによると、TFM+のユーザーは、半数以上が、可聴範囲外から。TFM+を知ってからエフエム東京の番組を聴くようになったか、という問いに対しては「新たに聴くようになった」「聴く番組が増えた」などと調査対象者の52%が回答。ラジコなどを通じた聴取拡大に貢献している。広告や配信料などによる収益も増え、事業としても成功しているという。